先日の新聞報道にも出ていましたが、ハローワークがブラック企業の求人を不受理とする方向性が打ち出されました。新卒採用で離職者数が多い企業などの求人は今後受け付けないそうです。
昨日の国会答弁でも共産党の吉良議員(高知県出身)の質問に安倍首相はこのことを答弁されています。先日も「厚生労働省の長時間労働対策方針」というニュースが注目されています。労働力人口が減少する状況下、「求人」は企業にとっては大きな関心事だと思います。
・ハローワーク求人を出していて
・労働関係法令を守れていない
この2点に該当する企業様は結構多いのではないでしょうか。
また昨年11月に行われた「過重労働解消キャンペーン」重点監督の実施結果がまとめられました。昨年の重点監督は長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して集中的に実施されました。
その重点監督の結果の公表によると対象の4,561事業場のうち、(2)労働基準関係法令違反があった事業場:3,811事業場(全体の83.6%)にのぼったそうです。
違反内容は(1)違法な時間外労働があったもの:2,304事業場(50.5%)(2)賃金不払残業があったもの:955事業場(20.9 %)(3)過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:72事業場(1.6 %)でした。労働時間の管理が不適正であるため指導された事業場:1,035 事業場
のうち始業・終業時刻の確認・記録が不適正とされたのが639 事業場とのこと。
どの事業所もやはり労働時間管理がネックになっているようです。
長時間労働が常態化されていらっしゃる企業様には、労働基準監督署の是正指導を受けると「ブラック企業」として、今後ハローワーク求人が不受理になる可能性が出てきましたので、留意しておきましょう。
でも「違法な時間外労働」というのは、36協定をきちんと出していなかったり、そもそも労働時間の把握がきちんとされていなかったケースだったりするのです。適正化するのはそう難しくありません。それよりハローワーク求人を出せないと、有償の求人媒体を使わざるを得なくなり年間数十万円のコスト増になります。
それと重要なコトは、ハローワーク求人からの応募を前提としている助成金は軒並み受給ができなくなるおそれがあります。
労働基準監督署からブラック企業のレッテルを貼られないよう現状の残業の多さを「違法」でないようにすることを優先事項として取り組むようことを我々社労士はサポートしています。
労働時間管理。労働諸法令の改正動向も含めて企業様の緊急の課題になっています。