2015年、つまり今年から「マイナンバー制度」が開始します。実際の運用はもう少し先になるでしょうが、10月には全国民にマイナンバーの通知が予定されることもあり、実質的には今年がマイナンバー元年といえます。
当事務所では近く「マイナンバー制」の専用情報サイトを立ち上げますが、以下にそのポイントを説明します。
マイナンバー制度とは
マイナンバー制度とは、いわゆる「国民総背番号制」のこと。全国民に個人の番号(マイナンバー)を振り当てることで、個人の識別や個人の情報管理をしやすくするための制度ともいえます。
番号自体はこれまで社員管理や学籍番号などいろんなところで用いられてきましたが、このマイナンバー制度は氏名・住所・生年月日の基本的な情報に加え、これまで各行政ごとに管理されていた納税情報・社会保障費の納付状況などが一元的に一括管理されるようになるのが大きな特徴です。そして従業員をかかえる全ての企業が当事者でその準備対策を講じることが必要となります。
つまりマイナンバーは、あらゆる個人情報がひも付けとなり、企業自身も管理する責任と義務が生じてきます。
マイナンバー制度のきっかけ
その導入のきっかけといえるのが、2007年に起きたいわゆる年金記録問題。 社会保険庁の管理する年金記録に大量のミスがあると発覚して大問題となったものです。社労士としても関係が深く、総務省に記録の調査確認のため第三者委員会などが設置され社労士も運営に協力しました。
当時の社会保険庁の年金記録の管理方法がきわめてお粗末なことがその原因だったわけです。従来からの手入力といった記録で二重の記録になったり、記録そのものが欠落していたといったあるまじきことが平然と行われていました。それが国会議員の年金不払いへの答弁から発覚し明るみに出たことから社会問題となり、国民の怒りが集中しました。
そこで、国民の個人情報を一元管理できる制度が必須だということになり、2013年にマイナンバー法(正式名:行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)が制定されたわけです。これがマイナンバー制度が出来た経緯ともいえます。
これからのスケジュールについて
今年10月からただちにマイナンバーの運用がはじまるわけではなく。これからマイナンバー制が今後どのように進んでいくのか、そのスケジュールはどうなっているのか説明しておきます。
2015年10月
全国民に対して個々のマイナンバーが通知される(周知のための準備期間)
2016年1月
マイナンバーの運用が実際にスタートする予定。 マイナンバーが記載されたICカードの無料交付も始まります
2017年1月
国の各行政機関での情報連携がはじまる予定。
2017年7月
情報連携が地方自治体レベルにまで広がる予定。
2018年10月以降
マイナンバーの民間利用が開始(検討中)。今回はここまで。次回以降そのメリットやデメリット、企業が対応しなければならない準備事項などに触れみたいと思います。
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