社労士に認められている特権として一括申請の電子申請があります。これは電子政府の普及をはかるべく日常届出事務代行が多い私たち社労士へのインセンティブともいえるものでした。当事務所のウリはこの電子申請をベースとしたスピードアップと依頼者様のコストダウンです。
キャッチフレーズとしては最速1日以内・1件・1千円〜。
ご依頼の事業所様の顧問料等の低減と書類を受け渡す手間ヒマの解消、情報が紛失するリスク回避のため、当事務所ではこの電子申請をいち早く導入し推進してきました。以前は総務省の電子申請推進員にも任命されシステム改善などの要望を行うなどその普及活動にも協力して参りました。
電子申請を始めると、旧態以前のまま紙書類ベースの届出で役所へ出向いていくのが時間と経費の面でとても無駄に思えます。先日もその日に受けた書類をもとに15時過ぎ雇用保険資格喪失届・離職票手続き3件を、PCからインターネットで手続を完了。役所の受理から処理実行まで全て2〜3時間内で完了しました。
窓口へ出向く申請だとハローワークまで車で行く移動時間、窓口で待たされる時間、窓口の処理時間、帰路につく移動時間、さらに書類をまとめて委託事業所へ渡す時間などをトータルすると2時間内では高知市内にある事業所分でも到底無理です。手間、ヒマ、カネや資源の節約を考えるとあらためて電子申請の便利さを実感しました。
私たち社労士の本来やるべきコトを考えると役所回りで届出事務に追われるのではなく、そんな時間をもっと顧問先等への訪問にあて、コンサルティング業務や提案など知識労働自体に割り当てることだと考えます。
それと重要なことは、私たち社労士事務所自体の存在が電子申請に対応していかないと基盤そのものを失っていくことにあると思われるからです。マイナンバー制への対応を迫られるなか、情報管理や要員の確保など考えると私たち社労士事務所としても、ご依頼の事業所の皆様においてのマイナンバー制対応リスクを考えても電子申請を進めるしかしかないと思います。電子申請は近くAPI機能が解放されるようです。
つまり、電子申請機能が実装された業務ソフトや給与計算ソフトなどがこれから登場してきて今後は企業での利用がもっと増えてくることが予想されるでしょう。加えて急速に進んできたマイナンバー制への対応がそれに加速されます。
個人情報を扱う社会保険・労働保険・給与計算・税務書類などでセキュリティや情報保護の義務と責任が重く課せられるようになり、ペナルティも強化されるようです。ゆえに紙ベースでは対応しきれないことがこれから当然に予想されてくるからです。
現在でもすでに会計処理や確定申告、給与計算においても格安な料金のクラウド化されたシステムが、続々と登場しています。社労士など士業による電子申請の推進に国が期待していた役割を士業自身が果たせないまま、マイナンバー制の導入もあいまって私たちの存在そのもののが将来変わろうとしていることに気づいている社労士自身や事務所がどれだけあるのかとても危惧しています。
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